1987年11月に発足した茶道協会は、流派をこえて親睦をはかりながら茶の湯の普及に努めている。毎年遊行寺で開催している茶会や、市民参加の茶道体験では、茶道の世界に触れることができる。
また姉妹都市であるカナダのウィンザー市、中国の昆明市、マイアミビーチ市とは、茶会を催すなど国際交流にも力を注いでいる。
表千家、裏千家、大日本茶道学会、宗徧流、煎茶道東阿部流、松尾流、煎茶道翠朋流(2022年4月~)で構成される。
【歴代会長】
初代会長 別府 宗泉
2代会長 木村 宗及
3代会長 関口 幸仙
4代会長 田口 宗迪(現)
お問い合わせ先 会長 田口宗迪 電話 0467-31-1928
2021年10月31日(日)第33回藤沢市茶道協会茶会 遊行寺 での結果報告
東席 表千家 浅場 宗美
掛軸 老松多寿色(ろうしょうじゅしょくおおし)
素敵な先輩がたを見習いたいと、私の記念の年にかけさせていただきました。
香合は、蔦の木に紅葉蒔絵花は、鷹の葉ススキ、藤袴、撫子、浜菊、ふうせんかずらなど江ノ島サザエ籠にいれました。
無観客ということなどで、綺麗に映える道具組にしました。
光の加減で赤くみえる、小四方棚に久谷の水指を合わせてみました。
奥の間席 大日本茶道学会 磯田 仙真
床 「喫茶去」円覚寺前管長 足立慈雲老師
脇 矢立
書院 三徳庵隋筆 仙樵 居士
花入 手付篭 安藤竹良斉
香合 亀 前畑 雅峯
軸は「喫茶去」
趙州従臣諗の「趙州喫茶去」の公安から出た禅語「どうぞ、お茶でも飲んで下さい」という意味です。
自粛生活が続いた中、皆様とお茶をいただける喜びと感謝をこめて飾らせていただきました。
棚「仙翁棚」
仙翁会長のお好みです。
桐木地と溜塗があります。
客付き斜めに切った中棚が特徴です。
四本柱ですから、水指に水を注ぐ時、片口を用いて客付きから水を注ぐことが出来ます。
茶碗
坂倉新兵衛十五代で紫がかった美しい。 内側には、鹿の背の様な美しい紋様があり、仙翁会長敬賞というのも頷けます。
秋も少しずつ深まり、「名残りの月」と呼ばれる頃、暫くぶりのお茶会にうれしく思いました。
これからも、一服のおいしいお茶をお客様に召し上がっていただけますよう、心をこめて差し上げたいと思いました。
大書院 裏千家 中村 宗良
藤沢茶道協会の遊行寺茶会に初めてお席を持たせていただき感謝申し上げております。
当日のしつらえの一部をご紹介させていただきます。
私どもの席では、季を少し先取りし炉に釜を懸け、置き水指の平手前で一服差し上げました。
大書院の床は広い二間床ということで。お軸を二幅掛けさせていただきました。
一つは当遊行寺の第七十四代(当代)お上人様の染筆「無心帰大道」。
もう一つは裏千家十一代家元玄々斎筆の「茶の極意」。玄々斎は幕末から明治初めにかけて家元を務め、明治5年の京都における博覧会で外国人へのおもてなしを視野に初めて立礼式茶法を考案、取り入れたことで有名です。
「茶の極意」の内容は、「茶為止渇 飯不因器 閑座松風 楽有其中」(茶は渇を止める為に 飯は器に因らず 松風に関座し 楽みは其中に有)
利休居士の茶の極意「夏はいかにも涼しきように…」と同じで、当り前のことが実は大切なのだ、ということでしょうか。
また床には香合と花入れを荘りました。
香合は江里佐代子造の鞠の形(球体)をした截金(きりかね)彩色まり香合。截金とは仏像を荘厳するためにごく細く切った金箔を貼って文様を形作るもので、その技法を用いて球体の香合が作られています。これは作者の江里佐代子氏(故人)のご主人が仏師であったことからこの独特の香合が生まれました。
花は、初嵐(椿)、石蕗、ホトトギス、尾花、浜菊で朝庭で摘んだもので、黒楽の花入れに入れました。
主茶碗は、九代大樋長左衛門の変釉数印で銘「松濤」。替茶碗は、荒川豊蔵の絵唐津など幾つかを用意しました。
また数茶碗としては、京都鷹峯に窯を構える藤谷芳哉造の一月から十二月までの十二か月をそれぞれ表現する絵柄の12碗を用いました。例えば、一月(睦月)は羽子板に毬、二月(如月)は枡豆にひいらぎ、十二月(師走)は除夜の鐘に敷松葉という具合です。
久しぶりの炉になりますと炭の太さと釜の大きさに毎度驚かされますが、そうした中でも更にたっぷりとした與斉造の鶴雲釜を懸けました。この釜の口造りは立ち上がっておりそこに15本の線が彫られています。それは裏千家十五代家元鵬雲斎大宗匠好みの釜ということで15本の線がはいっているというものです。
今回は新型コロナウイルス感染が十分に終息していないということから,限られた方によるお茶会でしたが、一日も早く多勢の皆様が集うお茶会が開かれますことをお祈りしております。